『Slumdog Millionaire』
監督:ダニー・ボイル
主演:デーヴ・パテール、フリーダ・ピントー
インドの大都市ムンバイの中にある
世界最大規模のスラムで生まれ育った少年ジャマールは、
テレビの人気クイズ番組、
日本でいう『クイズ$ミリオネア』に出演する。
そこでジャマールは数々の問題を正解していき、
ついに最後の1問にまで到達した。
しかし、無学である彼がクイズに勝ち進んでいったために
不正の疑いがかけられ、警察に連行されてしまう。
そこで彼が語った生い立ちとその背景とは。
公開当時から評価が高く劇場に行こうかとも思いましたが、
内容を知らないにも関わらず何故か”違和感”を感じて
観に行きませんでしたし、
レンタルされてからも触手が伸びませんでした。
極貧のスラム出身の若者がクイズで大金持ちに・・・
って話だったらガッカリじゃないですか?
実際に大筋はそーゆー話なんですけどねwww。
ただ、それは単に物語りを進める為のレールでしかなく、
この映画が見せたいのは、人々の生活の息吹と
スラムやインドの風景を独特の映像で切り取った
”映像美”なのではないでしょうか?
ドキュメンタリーでも社会風刺でもないと自覚して観れば
私にとっては、とても楽しめる作品でした。
『トレインスポッティング』で注目された
ダニー・ボイル監督。
『ザ・ビーチ』、『28日後...』はまあまあでしたが
『サンシャイン2057』はちと微妙、今回は良かったです。
☆4つ半
『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』
監督:サーシャ・ガバシ
出演:スティーヴ・"リップス"・クドロー、ロブ・ライナー
カナダのトロントで結成され、
1982年にアルバム『メタル・オン・メタル』をリリース。
メタリカなどの人気バンドにも
大きな影響を与えたバンド、アンヴィル。
しかし、当の彼らだけはスターダムにのし上がることなく
その存在を忘れられていた。
地元でしがない仕事をしながらバンドを続け、
いまだ名声と富を獲得する夢をやめない
リップスとロブのうだつの上がらない生活。
しかし、どんな苦境に立たされても楽観的に
現実を乗り越えようとするバンドの姿と、
少年の頃より育んできた友情と絆、
そして半ば愛想を尽かしながらも
長年彼らを見守りサポートしてきた
家族やファンたちの姿・・・。
いや〜、泣けてきます。リップスのピュアっぷりにw。
前評判ではもっと”おバカ”なのかと・・・
実際”おバカ”ですけどwww。
いつまでも子供みたいな人なのね。
ロブ・ライナーも子供なんだけど、
ちょっと疲れちゃったりもするけど
ちゃんとリップスを受け止めてくれる。
いい友達持ったじゃん!この2人、相性バッチリなのね。
同じ様に音楽を志す人間として、
先輩を応援したいと思います。
頑張って欲しいですね。
☆4つ
『96時間』
監督:ピエール・モレル、
制作・脚本:リュック・ベッソン
出演:リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、
ファムケ・ヤンセン
元CIA工作員のブライアンの今の唯一の楽しみは、
離婚した妻レノーアと裕福な再婚相手と共に暮らす
17歳の娘キムの成長を見守る事だった。
ある日キムは友達と2人だけでパリ旅行に行きたいと
実父のブライアンの元に許可書へのサインを求めてくる。
最初はサインを拒んだブライアンだったが、
定時連絡を入れる事を条件に許す。
しかし案の定、パリに着いた2人は直後に拉致されてしまう。
攫われる瞬間までキムと電話で話し続けていたブライアンは、
僅かな手がかりから犯人がアルバニア系人種で構成される
人身売買組織である事を突き止める。
ブライアンは娘を救出するために
単身パリへ乗り込み組織に戦いを挑む。
痛快です!映画としては超B級ですが、それがどーした!
と、言わんばかりの気持ち良さ。
そうですねぇ〜、邦題をつけ直すとしたら・・・
『心配性オヤジ大暴れ!』かな?www
前半20分の”ウザイオヤジ”描写を受け入れれば、
そこから先は・・・「爽快」です!
何だろう?リュック・ベッソンは新しい映画のジャンルを
確立しようとしているのかもしれません。
アメリカやカナダの人気TVシリーズ的な位置の映画。
ヨーロッパ・コープの作品からはそんな印象を受けます。
エンドロールが出て来た時に思わず拍手してしまいましたわ。
多分、このブログに書き残しておかなければ、
数ヶ月後には忘れてしまう作品かもしれません。
しかし!今日この作品を見て”気分が良かった”事は
幸せな”出会い”ですよね?
”嫌な母”を演じたファムケ・ヤンセン、どっかで見た事ある。
調べてみたら、『X-MEN』シリーズのフェニックスでした。
演出的には”ヒール”な役回りで可哀想だったかな?
色々ありましたが・・・結果、良かった良かったwww。
まさかの!
☆4つ
『サブウェイ123 激突』
監督:トニー・スコット
主演:デンゼル・ワシントン、ジョン・トラボルタ
ニューヨーク地下鉄運行司令部で働くガーバーは、
ペラム発1時23分の電車「ぺラム123号」が
緊急停止したことに気付く。
しかも、その電車はなぜか1両だけほかの車両と
切り離されて停止していた。
胸騒ぎを覚えたガーバーが無線連絡すると、
ライダーと名乗る男が人質19名の命と引き換えに
残り59分で1,000万ドルを市長に用意させるよう要求。
無線を通じて彼らと粘り強い交渉を続け、
人質の解放と事件解決を図る。
スタイリッシュな映像に定評のあるトニー・スコット監督。
『トップガン』と『ビバリーヒルズ・コップ2』を
撮ってたとは知りませんでした。
ジョン・ゴーディの小説『サブウェイ・パニック』を原作に
3度目の映画化です。
演技派2人の競演ですから、お芝居的には○です。
映像も細かいカット割りやスローなどの演出で
最後までスピーディーに見せてくれます。
全体的な色彩がちょっとセピアがかっていて
昔のアメリカ映画を彷彿とさせますね。
今回の映画化では原作に手を加えて
現代風にアレンジされていますが、
まさか身代金の1,000万ドルが”本命”じゃないなんて・・・。
恐れ入りましたm(__)m。
面白かったわ。
☆4つ
『私の中のあなた』
監督:ニック・カサヴェテス
主演:キャメロン・ディアス、アレック・ボールドウィン
アビゲイル・ブレスリン、ソフィア・ヴァジリーヴァ
11歳の少女アナは、白血病の姉に臓器を提供するドナーとして
遺伝子操作によってこの世に生まれた。
母サラは愛する家族のためなら当然と信じ、
これまで何度も姉の治療のために犠牲を強いられてきた。
そんなある日、「もうケイトのために手術を受けるのは嫌。
私の体は、自分で守りたい」と、
アナは突然、両親を相手に訴訟を起こす。
しかし、その決断にはある隠された理由があった。
原作と”結果”が180度変わっているそうですが、
この題材には答えはないし、
登場人物達はそれぞれ心に傷を抱え
なおかつ全員がケイトの命をどう扱うか悩んでいます。
みんな優しい人達だからこそどうしようもなくなって、
そんな状況に「もういいよ」と言ったのは・・・。
テーマや脚本も素晴らしかったのですが、
俳優人の演技力に脱帽です。
狂信的に娘の治療を続けようとする
サラ役のキャメロン・ディアス。
病と闘いながらも懸命に笑顔を見せようとする
姉ケイト役のソフィア・ヴァジリーヴァ。
”任務”を全うすべく真っ直ぐ前を向いている
アナ役を演じたアビゲイル・ブレスリン。
みんな素晴らしかったです。
☆4つ半
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