かなり溜め込んでいたので大分”長編”です
。
今回書いたのは2〜3月に観た作品ですね。
何だか去年の事の様に思えて、
思い出すのにちと苦労しました。
まあ、適当に流して下さいなw。
『インシテミル』(2010年)
監督:中田秀夫、脚本:鈴木智、原作:米澤穂信
出演:藤原竜也、綾瀬はるか、石原さとみ、阿部力、
武田真治、北大路欣也、片平なぎさ
「ある人文科学的実験の被験者」になり、
7日24時間監視付きで隔離生活するだけで
時給11万2000円がもらえるという募集に釣られ
集った年齢も性別も様々な12人の男女。
彼らに知らされた実験の内容とは、
より多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う
殺人ゲームだった。
ホリプロ50周年記念作品として製作された作品。
出演者は豪華ですね。
監督の中田秀夫氏は『リング』や『仄暗い水の底から』
でお馴染みですが、
本人はホラーが好きな訳ではないそうです。
私は『リング』のシリーズは
珍しく小説も全部読んでいて好きな作品なので
あの不気味さや空気感を期待していたのですが…
更に、大金目当ての死のゲームという
サスペンス要素盛りだくさんでハラハラする展開を
期待して・・・がっかり。
映像自体もショボイし、
ただの”事務所の俳優を集めただけの記念写真”が
少々動いてます、、、みたいな(辛口?
)。
残念。
☆1つ半
『パンドラム(Pandorum)』(2009年)
監督:クリスチャン・アルヴァート
製作:ポール・W・S・アンダーソン
出演:デニス・クエイド、ベン・フォスター、
キャム・ギガンデット、アンチュ・トラウェ
西暦2174年。
人類は、荒廃した地球を捨て惑星タニスへ移住するべく
選ばれた者を宇宙船エリジウムに乗せる。
時が経ち、船内では2名の乗組員が冷凍睡眠から目覚める。
だが船内には他の乗組員がおらず
さらに2人は記憶を失っており、
自分の正体もこの場に居る理由すらも忘れてしまっていた。
やがて2人は船内を探索し始め、
その過程で恐ろしい何者かが居ることに気づく。
まあ、ありがちな設定です。
宇宙船・潜水艦・客船など外界から
隔離されたシチュエーション、
もっと極端に”ワンシチュエーション映画”という
ジャンルもありますが。
『CUBE』、『12人の怒れる男たち』、『キサラギ』等々、
脚本と役者に力が有れば、低予算でも
素晴らしい作品になる可能性を秘めていますよね?
監督は知らない人ですが、
製作のポール・W・S・アンダーソンが
『バイオハザード』の監督なので
ちょっとだけ期待していたのですが、、、
結論が曖昧でドラマとしての盛り上がりに欠けます。
パンドラムとは冷凍睡眠から目覚めてから記憶障害を起こし、
妄想に取りつかれてしまうという病気。
その結果何が起こるのか・・・想像通りです
。
☆2つ
『クレイジーハート』(2010年)
監督:スコット・クーパー
出演:ジェフ・ブリッジス、マギー・ジレンホール、
ロバート・デュヴァル、コリン・ファレル
かつて一世を風靡していたカントリーシンガーのバッド、
今ではドサ周りの日々を送っていた。
弟子でありバックバンドの一員だったトミーは今や大スター。
しかしバッドの生活は対照的。
結婚生活は何度も破綻しアルコールに溺れ、
落ち目の日々を送っていた。
そんな彼のもとにある日、
若い女性ジャーナリストのジーンが訪れる。
ジェフ・ブリッジスと言えば、
『恋のゆくえ”The Fabulous Baker Boys”』(1989年)
大好きな映画です。
(デイブ・グルーシンの音楽が素敵です♪)
その彼が”ミュージシャン役”という事もあってか、
すんなりと物語に入り込む事が出来ました。
「ダメ親父の再生ストーリー」と言いますか、
こうゆうお話ってアメリカ人スキですよねw。
ミッキー・ロークの『レスラー』は真逆の結末ですけど。
多少「そんなに簡単じゃねーよ」と
言いたくなる部分もありますが、
観終わった後、多少元気になったので…まあいっか♪
☆3つ半
『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官(Crossing Over)』
(2009年)
監督:ウェイン・クラマー
出演:ハリソン・フォード、レイ・リオッタ、
アシュレイ・ジャッド、ジム・スタージェス
移民局I.C.E.に所属するベテラン捜査のマックス。
不法滞在者の取締りが任務だが、
正義感が強く良心的なために、彼らの立場に対しは同情的だ。
そんなある日、同僚の捜査官の妹が殺される。
遺品の中に偽造グリーンカードを見つけたマックスは
独自に調査を始めるのだが…。
”移民の国”アメリカが抱える問題、
国境を巡る人々のエピソードが複雑に絡み合って
断定的ではなくその全体像を立体的に
浮き彫りにする構成はよく出来ていると思います。
アラブ系学生が授業中の意見交換やノートに
「自殺」について表記してあれば思想犯として
家族から引き離され国外退去に。
グリーンカード欲しさにつけこまれて体を許す少女。
人種差別から起こる殺人。
もはや”法”だけでは行き詰まり、
”モラル”を問わなければ解決出来ないのでは?
と思ってしまうのは、
何もこの問題だけでは無く、
現代社会の限界なのではないか?
色々と考えさせられる作品です。
決して派手ではないですが、好きです。
☆4つ半
『THE GIRLFRIEND EXPERIENCE/BUBBLE』
ショートムービ2本立てです。
監督:スティーブン・ソダーバーグ
『THE GIRLFRIEND EXPERIENCE』(2009年)
脚本:ブライアン・コッペルマン、デヴィッド・レヴィーン
主演:サーシャ・グレイ
高級エスコート嬢のチェルシーはセックスだけでなく
本物の恋人と過ごすような経験を提供することで、
1時間2000ドルを稼いでいる。
彼女は中締めを通さず、
自分でビジネスをコントロールする経営者でもある。
チェルシーは顧客の理想のガールフレンドを演じるために、
最先端のファッションに身を包み、
日々自分を磨くための自己投資を怠らない。
主演のサーシャ・グレイは現役ポルノ女優です。
決して「アメリカン」な体型ではありません、が、、、
何だか妙に”エロい”ですねw。
基本”クレバー”なのに、
普通の女性が占いに夢中になる様に、
チェルシーがバイブルと仰ぐ人間学の本で
相性がぴったりだと書かれている男性客から電話に
翻弄されていく姿が対照的で面白いです。
『BUBBLE』(2006年)
脚本:コールマン・ハフ
出演:デビー・ドーブライナー、ダスティン・アシュリー、
ミスティ・ウィルキンス
マーサとカイルの二人が長年働いている小さな人形工場に
ある日新たに若いシングルマザーのローズが入社する。
二人の安定した関係が壊れてしまい・・・
製作費160万ドルという低予算で主な出演者が3人というw。
安定していた生活が些細な事からバランスを崩し、
衝動的に”破壊”へと突き進んで行く様が
淡々と描かれていきます。
スティーブン・ソダーバーグって
『セックスと嘘とビデオテープ』の監督だったんですね。
最近だと『トラフィック』とか『オーシャンズ…』とか
『チェ 28歳の革命』のイメージですけど。
好きな作品も多いんですが、
『トラフィック』とか『オーシャンズ12 』なんかは
ちと分かりずらい印象があります。
ちょっと実験的なこの作品は好きです。
☆4つ
[5回]