日本ではこの夏に公開された『プロメテウス』の監督、
リドリー・スコットが色々な意味で”やらかした”作品が
『ブレード・ランナー(Blade Runner)』ですw。
(公開は1982年)
リドリー・スコット監督の劇場映画3作品目、
前作の『エイリアン』が大当たりしたので
かなり”趣味の世界”というかやりたい放題?w
ハリウッドのSF映画にあるまじきハードボイルドっぷり。
試写版で観客の評判が芳しくなかった為、
初期劇場公開版では
後からハリソン・フォードのナレーションを追加し
エンディングのハッピーエンド化って・・・。
まあ、エンディングを何パターンか作るのは
よくある事ですが、
全編にナレーションを入れちゃうって、
全く別ものになってしまいますよね?
同じ年に公開された『E.T.』の大ヒットの陰に隠れて
興業成績は全く振るわなかったのですが、
日本でもロードショーでは極端な不入りで
早々に上映が打ち切られてしまったそうです。
当時は私も観てません・・・というより、
こんな作品が公開されていた事すら知りませんでした
。
しかし後日、名画座での上映から好評になり、
アメリカからビデオを個人輸入するほど
熱狂的なマニアも現れて、
ビデオが発売されてからは記録的なセールスとなり、
SF映画の傑作といわれる様になりました。
浪人中にこの作品の事を知った私、
1年で劇場に3回観に行きました。
浪人生の荒んだ心に、何だか妙にフィットした記憶がw。
原作はフィリップ・K・ディックのSF小説
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
素晴らしいタイトルです。
映像や美術、
ルトガー・ハウアーやハリソン・フォードの演技、
ダリル・ハンナの可愛らしさ(身長は可愛くないけど)、
好きな所をあげればキリがありませんが、
音楽もとても印象的です。
ギリシャ出身の音楽家ヴァンゲリスの
シンセサイザーを多用した音楽。
『炎のランナー』『南極物語』でもお馴染みですね。
特に「Memories of green」という曲が好きです。
電子音の無機的なサウンドスケープに
ぽつりぽつりと浮かび上がるメランコリックなメロディ。
記憶の中にある”緑の映像”を音にした様な音楽、、、
素敵です♪
実はこの曲、映画の為に書き下ろしたものではなく、
ヴァンゲリスのソロアルバム
『See You Later(国内盤タイトルは「流氷原」)』
に収録されている曲です。
それでは、秋の夜長に・・・
「Memories of Green」/Vangelis
[5回]