『パレード』
監督・脚本:行定勲、原作:吉田修一
音楽:朝本浩文
出演:藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、
林遣都、小出恵介
都会の片隅でルームシェアをする
健康オタクの会社員・直輝、
自称イラストレーターの未来、
恋愛依存症の琴美、大学生の良介の4人のもとに
男娼をしている謎の少年・サトルが転がり込んでくる。
時を同じくして町では女性連続暴行事件が多発していた。
第15回山本周五郎賞を受賞した吉田修一の青春群像劇を
『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督が映画化。
予告編を観た時から非常に気になっていた作品です。
お互いのプライベートには深く関わらず
微妙な距離感でバランスがとれていた所へ
”要素”が加わる事で小さな波がおこり、
その波間に少しずつ見えて来る”個々の実態”が
思いの外”重く・暗く”、
現実を突きつけられる感じが面白かったです。
最後に明かされる真実よりも、
それを受けとめる人の表情の方が恐ろしい、
皆、同じ方に向かって行進している。
だから「パレード」なんですね。
☆4つ
『イングロリアス・バスターズ』
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:ブラッド・ピット、イーライ・ロス、
メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ
1941年第二次世界大戦中の
ナチス・ドイツ占領下のフランス。
家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナは、
ナチス親衛隊SSのランダ親衛隊大佐の追跡を逃れる。
一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれる
レイン中尉率いるアメリカの秘密特殊部隊は、
次々とナチス兵を血祭りにあげていた。
1944年映画館主となったショシャナは、
パリでナチス首脳部の集まる
ドイツ国策映画特集の企画を組み、
その裏で復讐の牙を剥く。
そして、バスターズもまたその劇場でのテロ作戦を練る。
意外な事に、監督としては7本目・・・。
もっと多作なイメージでしたが、
『フォー・ルームス』や『シン・シティ』のように
オムニバスに参加していたり、
脚本だけや役者として出ていたりするので
”活躍感”があるのかもしれません。
で、この作品。
毎度の事ながら、
特に言いたい事っていうのはないんでしょう。
それよりも「やりたい事をやる」というポリシーの基に、
過去の映画に対するオマージュがちりばめられています。
結果、「戦争って悲惨だね」という観賞後の後味もあるので
いいんじゃないでしょうか?
☆3つ半
『マイレージ、マイライフ』(Up in the Air)
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ、
アナ・ケンドリック、ジェイソン・ベイトマン
ライアン・ビンガムは「解雇宣告人」であり、
1年のうち300日以上を出張の為に
全米中を飛行機で飛びまわる人生を送っていた。
彼の目標はマイレージを1000万マイル貯め、
飛行機に自分の名前を残しフィンチ機長と面会すること。
「バックパックに入りきらない人生の持ち物は背負わない」
というモットーを持ち、
肉親とも距離を置き結婚にも興味を持たず、
旅先で知り合ったアレックスとも気軽な関係を続けていた。
これ位の”距離感”でひとりで生きて行きたい人が
増えているような気がします。
それじゃいけない、と変わっていく主人公を待っていた結末は
ちょっと切ないものでした。
別バージョンのエンディングもあって
DVDではそれも観る事が出来ます。
結婚する事が人生のゴールだとか
自由気ままに一人で生きて行くのもいいとか
結論は何も提示されていません。
その押し付けがましくない”軽さ”が
この作品の良さかもしれません。
☆4つ
『イヴの時間 Are you enjoying the time of EVE ?』
絵コンテ・演出・3DCG・撮影・編集・音響監督・原作・
脚本、監督:吉浦康裕、音楽:岡田徹
声優:福山潤、野島健児、田中理恵、佐藤利奈
“ロボット”が実用化されて久しく、“人間型ロボット”
(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。
高校生のリクオは所有する
ハウスロイド「サミィ」の行動記録の中に、
命令した覚えのない行動を発見する。
友人のマサキを誘って記録された場所に向かってみると、
そこには「イヴの時間」という不思議な喫茶店があった。
2008年8月から順次インターネット上で公開された
各話約15分程のショートストーリーが全6話。
その全6話を編集したのがこの作品です。
う〜ん、、、面白かった、面白かったし
ちょっと切ない気持ちになっちゃう人の気持ちも分かります。
それらを踏まえた上で、
私には語るべき言葉がありません。
全く深い意味はないので、
予告編を貼っておきますのでそちらから推測して下さい。
☆はちゃんと付けますよん♪
☆3つ半
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