先日、ラヴェル(1875-1937)や
ストラビンスキー(1882-1971)が使った
「ペトルーシュカ和音」に触れましたが、
彼等のちょっと前に活躍した
ワーグナーが1857年から1859年にかけて作り上げた
歌劇「トリスタンとイゾルデ」の冒頭(3小節目)に、
後に「トリスタン和音」と呼ばれた響きがあります。
鍵盤で(F・B・D#・G#)と押さえます。
これが「トリスタン和音」です。
これまた不穏な響きですね。
調性のあいまいな和音が
歌劇の冒頭で使われた事で、
従来の古典的な和声法から
無調性の時代へと転換していく
契機となったといわれております。
と聞くと、酷く難解な話に思えますが、
実はその後ジャズやロックやポップスで
割と普通に使われています。
まず(F・B・D#・G#)のG#をオクターブ下げて、
(F・G#・B・D#)にします。
#を♭に変換します。
(F・A♭・B・E♭)
これをコードで表記すると「Fm7♭5」になります。
(Fのハーフディミニッシュともいう)
一青窈さんの「ハナミズキ」のサビ、
「薄紅色の〜」「紅」の時のコード(3・4拍目)が
この響きです(キーは違うけど)。
ね?笑
以上♫
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