今回のAUN Jと石井さんのコラボで、
石井さんの曲を和楽器だけで伴奏という事で
ライブアレンジをさせて頂きました。
その内容を簡単に振り返ってみます。
「古都」
石井さんの和テイストのコンサートでは
1曲目に演奏される事が多い、
和テイストの中でも代表的な曲です。
最初にライブ用にアレンジされた時は
オーケストラと共演の為のものだった・・・
のかな?(私が石井さんと出会う前ですので)
初めてZANの2人が参加して演奏したのは
2007年の薬師寺コンサートでした。
冒頭のお箏のソロは、その時に慎さまが作り、
以降すっかりお馴染みのフレーズとなってます。
それ以外の尺八とお箏のフレーズは、
オーケストラのスコアーから木管やハープのフレーズを
ZANの2人がピックアップして演奏していたので、
実は私は殆ど手を加えていません。
今回和楽器だけで歌の伴奏をするにあたり、
従来の尺八とお箏のフレーズは生かしながら、
ピアノ・ベース・ギターが無い状況で
いかにハーモニーを組み上げるかを踏まえて
フレーズを増やしつつ、
十七絃・三味線2本・篠笛との組み合わせを
考えていきました。
十七絃とお箏で和音は殆どまかなえるのですが、
実は「古都」、曲中で一度転調します。
(知ってました?)
前半のインストパートはBmで、
歌が入る9小節前にGmに転調します。
#2個から♭1個になる為、
お箏と十七絃は調弦を変えねばならず、
柱(じ)を最低でも3個移動しなければなりません。
その間は演奏出来ませんから、
他の楽器でその間を繋ぎます。
原曲では転調前の2小節は
ピアノがアルペジオで上昇しながらリットして
(テンポを徐々に落として)
ドンっと転調します。
アルペジオならお箏にお任せ!なはずが、、、
篠笛や尺八でそのフレーズを演奏してもいいのですが、
篠笛と尺八も転調の際には
楽器を持ち替えねばなりませぬ。
笑
となると残るは三味線。
と言う訳で、中竿三味線だけで2小節繋ぐ。
こんな感じでアレンジは自ずと決まってくるのが
和楽器アレンジの面白いところ、
選択肢が少ない分、逆に悩まなくてもいいから
楽と言えば楽だったりします。
以前から和楽器が入っていた曲にも関わらず、
今回ライブアレンジした3曲の中で一番時間が掛かりました。
(青い薔薇の心はレコーディングのアレンジのままなので)
曲が3部に分かれており
(インスト・バラード・テンポアップ)
それぞれのセクションのアレンジが全部違うので、
同じフレーズを使い回せませんからねぇ。
時間は掛かりましたが、
和楽器と歌だけで奏でる「古都」、
更に情緒豊かに嫋やかな楽曲になったかな?と
自負しております。
でもこのバージョン、
次は何時聴けるのでしょうか?
(音源化しちゃえばいいのに・・・と、独り言)
笑
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