『虐殺器官』(2017)
原作:伊藤計劃
監督・脚本:村瀬修功
音楽:池頼広
出演:中村悠一、三上哲、梶裕貴、石川界人、
大塚明夫、小林沙苗、櫻井孝宏
9.11以降、テロとの戦いを経験した先進諸国は
自由と引き換えに徹底的な
セキュリティ管理体制に移行しその恐怖を一掃。
一方で後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加。
世界は大きく二分されつつあった。
クラヴィス・シェパード大尉率いる
アメリカ情報軍特殊検索群i分遣隊は
暗殺を請け負う唯一の部隊。
戦闘に適した心理状態を維持するための
「感情適応調整・痛覚マスキング」を施し、
更には暗殺対象の心理チャートを読み込んで
瞬時の対応を可能にする精鋭チームとして
紛争の首謀者暗殺ミッションに従事していた。
そんな中、浮かび上がる一人の名前。
謎のアメリカ人言語学者ジョン・ポール。
彼が訪れた国では必ず混沌の兆しが見られ、
そして半年も待たずに内戦・大量虐殺が始まる。
処女作『虐殺器官』がゼロ年代日本SFの
ベストに挙げられている作家、伊藤計劃。
デビューしてからわずか2年ほどで早逝した
彼の原作小説3作を連続劇場アニメ化していく
プロジェクト「Project Itoh」の3作目です。
先日深夜に放送されていた『ハーモニー』が
面白かったので観てきました。
自由を捨てる代わりにテクノロジーによる
徹底したセキュリティ強化や管理体制で
脅威を排除し『安心』を手にした近未来。
この辺りの設定は『PSYCHO-PASS サイコパス』
にもありますし、
それほど目新しいものではないのですが、
人間の脳にはそもそも「虐殺器官」が
存在するであるとか、
「虐殺の言語」というアイデアは面白いと思います。
セリフ回しも凝っていて
原作を読んでみたくなりました。
ただ若干わかりにくい部分もあり、
ラストに向かっての「なるほど感」が
あまり感じられなかったのはちと残念です。
「ご想像にお任せする」って事なのかしら?
鑑賞後にあれこれ思いを巡らせてしまう
作品ではありましたね。
☆3つ半
[5回]