『脳男』(2013年)
原作:首藤瓜於、監督:瀧本智行
脚本:真辺克彦、成島出
出演:生田斗真、松雪泰子、二階堂ふみ、
太田莉菜、江口洋介、染谷将太
残忍な手口の無差別連続爆破事件を追う
刑事の茶屋は犯人の居所を突き止めるが、
身柄を確保できたのは身元不明の鈴木一郎だけ。
共犯者と見なされた一郎は犯行が
常軌を逸したものだったため
精神鑑定を受けることに。
担当となった精神科医・鷲谷真梨子は
感情を表さない一郎に興味を持ち
彼の過去を調べ始める。
生まれつきの常識では考えられないほどの
高い知能と驚異的な肉体を兼ね備えるも、
人間らしい感情はない謎めいた男・脳男をめぐる
バイオレンス・ミステリーです。
登場人物の設定は深く見事なのに対して
演出の稚拙さが少々残念ではありますが、
生田斗真や二階堂ふみの熱演は
なかなか良かったのではないかと。
☆3つ
『悪の法則』(2013年)
監督:リドリー・スコット、脚本:コーマック・マッカーシー
出演:マイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、
キャメロン・ディアス、ハビエル・バルデム、
ブラッド・ピット、ロージー・ペレス、
ブルーノ・ガンツ、ルーベン・ブラデス、
ディーン・ノリス
メキシコ国境付近の町で弁護士をしている
通称カウンセラーは、
恋人ローラとの結婚も決まり人生の絶頂期にあった。
彼は実業家のライナーと手を組み、
裏社会のブローカー、ウェストリーも交えて
新ビジネスに着手する。
その仕事は巨額の利益を生むはずだったのだが…
セレブリティーが麻薬取引に手を染め
破滅へと追い込まれて行く・・・
だけの話しと言えばそれまでですが、
流石にリドリー・スコット、
独特の世界観で意味が分かりません(笑)。
共感も爽快感もカタルシスもなく、
ただただ後味をいかに悪くするか?
だけの為に作ったのではないかとすら
思えてしまう作品でしたね。
そこが”逆に”面白かったですが・・・
☆2つ
『船を編む』(2013年)
原作:三浦しをん、監督:石井裕也
出演:松田龍平、宮﨑あおい、オダギリジョー、
黒木華、渡辺美佐子、池脇千鶴、鶴見辰吾、
伊佐山ひろ子、八千草薫、小林薫
玄武書房に勤務する馬締光也は
職場の営業部では変人扱いされていたが、
言葉に対する並外れた感性を見込まれ
辞書編集部に配属される。
新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、
現代語に強いチャラ男・西岡正志など
個性の強いメンツばかり。
仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、
馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢に一目ぼれする。
馬締(松田龍平)と香具矢(宮崎あおい)の
恋の行方以外には特に事件は起こらず、
辞書「大渡海」完成までの15年にわたる
地道な編集作業を淡々と描いた作品ですが、
用例採集・見出し語の選定・語釈をめぐる
果てのない議論が面白いです。
結果、見終わった後に編集者達と
同じ達成感が得られるのです。
私、音楽家じゃなかったら
辞書の作成に関わる仕事が向いていたと思います 笑。
☆5つ
『パシフィックリム』(2013年)
原案:トラヴィス・ビーチャム、監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:チャーリー・ハナム、菊地凛子、イドリス・エルバ、
チャーリー・デイ、ロバート・カジンスキー、
マックス・マルティーニ、ロン・パールマン、
芦田愛菜
2013年、突然未知の巨大生命体が
太平洋の深海から現われる。
それは世界各国の都市を次々と破壊して回り、
瞬く間に人類は破滅寸前へと追い込まれてしまう。
人類は一致団結して科学や軍事のテクノロジーを結集し、
生命体に対抗可能な人型巨大兵器
イェーガーの開発に成功する。
パイロットとして選ばれた精鋭たちは
イェーガーに乗り込んで生命体に立ち向かっていくが、
その底知れぬパワーに苦戦を強いられていく。
VFXを駆使した生命体とのバトル描写や
細部まで作り込まれたイェーガーの設定は
よく出来ていると思います。
監督は「日本の怪獣モノの単なるパスティーシュや
オマージュではなく新しいことができると感じた」また、
「日本の漫画、ロボット、怪獣映画の伝統を尊重している」
とも答えており、
その辺りのリスペクトは感じられる作品です。
特撮ロボット物にありがちな「映像は凄いけど内容がない」
作品とは異なり、
なかなかバランス良く仕上がっているのでは?
☆3つ半
[8回]