10. 鳥の視線~絹の道
「鳥の視線」は今年の5月、
”ANGEL DREAMS”の中野サンプラザで収録された
Live音源です。
光田氏のペンによるインスト曲です。
(素晴らしい!)
お気付きでしょうか?
このアルバム、M9の「天地の乱舞」をピークに
徐々に盛り上がる構成になっている事に。
音量的にも「天地の乱舞」がMAXです。
マスタリングでその様に調整しました。
そして「鳥の視線」で耳がリセットされた後、
”アジア”の世界へと景色は変わっていきます。
故にこの2曲は”1曲扱い”な訳です。
1995年の米米CLUBライブで披露された
「シルクロード」をリメイクするにあたり、
石井さんのオーダーは「壮大にしてちょ」とw。
原曲は打ち込みのパッドとまたろうさんのジャンベ、
そして金子さんの”縦笛”のみというシンプルさ。
でも、なるほどなと思ったのは、
やっぱりこの曲、
オケを厚くしたり楽器を増やしたり
オーケストラ編成で演奏するのは
ちょっと違うと思ったんです。
では、どーやって”壮大さ”を演出すればいいのか・・・。
悩みました、、、10分位。
(いや、まあそんなに嘘じゃないですw)
そうだ!3Dにしよう!
音をどんどん重ねていくと
キャンバスは塗り込められて
結局”面”になってしまいます。
奥行きを演出するには”残響”が消えて行く様まで
聞かせる必要がある。
なのでやっぱり音数は少なく、
減衰音、もしくは時間と共に音色が変化する持続音、
しかも生楽器・電子音問わず
”気になる音色”のものを使おうと。
イントロのレトロなピアノの様な音は
ガラスを割った音源を元に
ピアノっぽく加工した音です。
ちょっとノイジーですが、
昔の記憶が呼び起こされる様な気がしませんか?
この辺の”わびさび感”は西洋の人には
なかなか理解出来ないようです。
(使ったシンセはアメリカ製ですけどねw)
Aメロで主に歌を支えているのは
市川 慎による十七絃です。
十七絃とは、作曲家・箏曲家の宮城道雄が考案した
17本の絃を持つ箏です(この前の学校公演で憶えた!w)。
13本の弦を持つ所謂”箏”よりも大きく、
低音域を担当します。
左が箏、右が十七絃
1921年に初めて世に出た楽器ですので
古典の曲では登場しません。
故にその音には”無国籍”なイメージがあります。
Bメロにはエフェクトの掛かったトライアングルと
常に音色が変化するパッド。
メインの伴奏はピアノへと移行します。
2番からはジャンベが登場しますが、
これは”生”ではありません。
敢てサンプルを使ったのは1音1音のニュアンスを
全部コントロールしたかったからです。
その音に残響時間4.4秒のリバーブが付いています。
Cメロの「オリエンタル〜」の部分には
インドの打楽器の音を足してあります。
Logicのアレンジウィンドウ
トラック少ないでしょ?
あとは装飾として、日本・アフリカ・中国の打楽器が
散りばめられています。
因に一番上の2段には1995年の
石井さんの歌を貼っています。
(それを下敷きにアレンジしていったので)
なので、1995年の石井さんとコラボした
リミックスが作れちゃう訳で・・・いつか出しちゃいます?w
[57回]