5.天球儀〜1st Take〜
小柳ゆきちゃんの「we can go anywhere」の
カップリングに収録されているバージョンと
アレンジ上は大きく変わってはいません。が、
Liner Notesにもある通り、Voのテイクが違うと
ある意味”全く別もの”とも言えるのでは?
レコーディングでは「1st Takeのマジック」
なるものがあると言われています。
サウンドチェックやモニター確認後、
最初に歌われる(演奏される)ものは
必ず”録っておく”のは鉄則です。
何度か繰り返し演奏を固めて行き
良いものを収録するのが通常ですが、
しばし、最初の演奏を越えられない事があるんです。
”いい演奏をしよう”とすると
邪念や欲が出るからかしら?
無心に臨む”一回目”にはピュアな気持ちが
映し出されるのかもしれません。
余談ですが・・・
KAITAとしてロスでレコーディングした時、
ある曲で個々のサウンドチェック後、
モニターチェックだと思って演奏した1st Takeを
プロデューサーのモーリス・ホワイトが
OKにした事がありました。
いやいや!私は”練習”のつもりだったので
もう一度やらせて欲しいと言ったところ
モーリスの答えは「NO」。
モーリス:「お前は”そう演奏したい”と思って
そう演奏したんだろ?
私はその演奏を”良い”と判断したからOKと言った。
だからこれでいいいんだよ。」
私:「う・・・、そ、そうっすか」
プロに”気を抜いた演奏”など有り得ないのだと
学んだ瞬間でした。
さて、ベーシックは変わっていませんが
イントロがギター始まりになったりバイオリンを
新たにダビングしたりリズムを”生ドラム”っぽくしたり
Mix的にコーラス&Synで歌の背景に”壁”を作ったり
”強い歌”をしっかり支えられる様に
バージョンアップしています。
6.数え歌〜TV Version〜
IntroをなくしInter(1番と2番の間)も短くして
コンパクトなサイズになっています。
On Airの為の編集なのですが、
短い分ギュッと濃密なメッセージが
伝わってきます。
これも余談なのですが、
Eric Martinの『MR.VOCALIST』1と2を
両方やらせて頂いて改めて思ったのが
洋楽(特に最近のもの)はJ-Popに比べて”短い”です。
間奏(ギターソロ等)もほとんどありません。
Liveの時は間奏があると歌い手さんが
その間休める
ので
結構大事だったりするのですが、
欧米・最近では日本でも曲が短い傾向があるのは
せっかちな性質なのか、あるいは
現在人が”長い時間集中できなくなっている”
のかも?と思う事があります。
アルバムに〜TV Version〜を収録した事とは
全く関係ない話ですけどね
。
7.見上げる青い空
池田さんの”強い意志”(決意)が感じられる曲です。
アレンジ的にはほぼピアノ一本ですが
InterとEndingに何故かDX系のエレピを重ねてます。
普段やらないアレンジですねぇ・・・
何でこうしたんだろう?(爆)
全く覚えてません。いや、凄く好きですけどねw。
因にDX系とはYAMAHAのDX7に代表される
FM音源を差します。
FMとはFrequency Modulationの略で
情報を搬送波の周波数の変化で伝達する変調方式で
ラジオのFMも同じ意味です。
キャリアのSine波に”高速ビブラート”を掛けると
次の式で倍音が発生します。
FM(t) = A sin(2πCt + I sin(2πMt))
・・・あっ、クラクラしてきました
。
この曲もまたプリプロの一回目の演奏そのままです。
8.海の歌が聴こえる
ピアノ連弾ユニットHands two Handsとの
コラボレーションです。
素敵ですねぇ〜♪
8ちゃんとのハモリが気持ちいいです。
ライブでは私が伴奏したりもしますが、
以外と難しいのが”テンポ”。
その日の二人の気分や体調、
お客さんの反応や会場の音場で
しっくりくるテンポが毎回違うんです。
無論、他の曲でも同様の現象はありますが
この曲は特に”センシティブ”な気がするなぁ。
ピアノが単なる伴奏ではなく
二人の歌い手と対等・・・とまでは言わなくとも
”歌い手に近い”所で三つ巴の化学反応を
おこしているのかしら?・・・ねぇ?
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