震災から1年後にリリースする小湊昭尚Solo名義の作品。
しかも、福島出身の彼が掲げたテーマは「レクイエム」。
事務所でディレクターも加わってのミーティング、
世にある”レクイエム”と呼ばれる曲の
カバー案なども提案されたのですが、
どれもしっくりこない。
何も決まらぬまま帰路についたコミちゃんと私。
帰る方向は途中まで一緒で、、、
どちらから共無く「飲みに行く?」って話にw。
池袋の適当に入った居酒屋であれこれ話し込みます。
”レクイエム=鎮魂歌”って何だろうね?と。
死者を弔う歌
今回の震災は私にとってもコミちゃんにとっても
人生観がガラッと変わってしまう位大きな出来事で、
この1年で色々な事を散々目の当たりにしたし
考えに考えてきました。
だけど、答えは見つからない。。。
ならば答える必要はないのではないか?
今、思う事を”音”に出来ないものかねと。
そこで私は閃きました。
亡くなった方の声を聞く事は出来ない。
けど、その近くにいた人の声は聞ける。
現地に生活の基盤を持ち、しかも”音楽”で
表現出来る人・・・いるじゃないですか!
コミちゃんのお父さん。
(このアイディアが出て来た段階では
2人共”立派”な酔っぱらいですからw)
どんな作品になるかは分からないけど、
福島に行って、コミ父=小湊法笙さんに
弔いの演奏(即興)をして頂いて、
その音に答える形で人選とディレクションを
コミちゃんが仕切って、東京在住の和楽器奏者の
演奏を重ねたら・・・それが”レクイエム”になるのでは?
やってみました。
冒頭から30秒後から1分強、
センターに聴こえる尺八が小湊法笙の演奏。
それを2度繰り返してエンディングのフレーズへ。
その流れは私が編集して作りました。
その音と”対話”してくれたミュージシャンは・・・
尺八 : 小湊昭尚
篠笛 : 藤舎推峰
琵琶 : 長須与佳
能楽小鼓 : 大村華由
Key : TATOO
イントロの尺八独奏はコミちゃん、
そこに篠笛が絡んで、、、”テーゼ”を待ちます。。。
楽譜にするのも困難、再演も難しい。
けど、これが私達の”レクイエム”です。
音楽に魂を吹き込むのはやはり”人と人との対話”
なのではないでしょうか。
そんな作品です。
[15回]